PART U |
春、新入部員が入ってきた。ハーモニー重視のバンドを、目論んでいた僕は新入生発表会で、三人の人材を発見。
行き着けの喫茶店へ三人を呼び勧誘。 まずY君(兵庫県出身) 「どんな曲が好き?」 「ガロとかCSN&Yとかが好きです。」 「・・・・・・一緒にしよう。」 「ハイ!」 つぎにK君(大阪出身) 「日本のフォークしか聞いたことがないですけどガロは好きです。」 「一緒にしよう!」 「・・・はい!」 そしてC子(熊本出身) 「一緒にしよう!」 「えっ?好きな曲とか聞いてくれないんですか?」 「うん!いや?」 「いいですけど・・」 「よし!決定!」 (実はC子に一目惚れしており、歌も上手かったので強引に決めた) 翌日、すぐ選曲にとりかかった。春休みにつくったオリジナルを聞かせると、三人とも気にいってくれた。 C子のリードVo.に三人のハモ+ギター三本!のみ。 練習後、こ、これはかなりいける!と思った。 自然とオリジナル中心になり、Y君やK君もつくって来た。 なかでもY君の曲はマークの「さいごの手紙」風あり、アメリカの「リバーサイド」風ありとすごかった。 当時は部室で徹夜練習も可能だったので、よくやったものだ。 恒例のS女子大とのジョイントコンサートの、オーディション(総数6バンドしか出演できない)の日程が発表された。 完璧とはいえないがなかなかの仕上がりで、メンバーは満足していた。 そして、当日がやってきた・・・ それなりに満足できたが、何と結果は次点。ショックだった。 オーディション終了後、Y君とK君は女子大との打ち上げ会へ行ってしまった。 その気になれず、帰ろうとしている時、「残念でしたね」と声をかけられ、振り返るとC子だった。 「絶対、とおってたよな?」 「少なくても6番目でね。」 「何か、気がぬけたらお腹空いたな。食事行こうか?」 「うん。」 二人、並んで歩きながら「彼、いる?」と聞くと 「いいえ、サカチンさんは?」 「いないよ。1年以上ね。」 「わたしも、ちょうど1年かな?」 食事も終わり、アパートまで送って行き「また、デート(?)してくれる?」って聞くと 「うれしい、・・・ちょっと上がって行きません?」って言い、返事をする間もなく、手を引かれて部屋へ。 ガロのトミーのポスターが張ってあり、こっちを見ているようだった。 話し込んでいて、気がつくと1時近くになっており、終電には間にあわなかった。 「電話貸してね」っていい、先輩の下宿のダイヤルをまわしていると、C子に切られてしまった。 怒ろうとすると「泊まっていって・・・」 ’76、夏前のことだった。 第2章 〜個人的メッセージ〜へ |
CSN&Yとガロとサカチン〜プロローグ
PARTT
第1章 たんぽぽと暗い部屋 第2章 美しすぎて
第3章 遠い春 第4章 涙はいらない
PARTU
第1章 学生街の喫茶店 第2章 個人的メッセージ